お昼休みにざっと見て回る。久しぶりに趣味展に来た。何も買わないで帰るのもと思い、一点だけ購入。
武者小路実篤『耶蘇』(新潮社・大正15年・改版) 函欠 800円
装幀は河野通勢。「やそ」の文字がいい。私は中学から高校にかけて、読みもしないのに白樺派を馬鹿にしていた時期があった。あれはなんだったのだろうと思う。今は武者小路の本に奥深いものを感じ、感心しながら読んでいる。
相変わらず会場で書痴が話している会話はおもしろい。今日は、元業者のような老人が、ある作家か大学教授か書痴の晩年の話をしていて、一時はその蔵書が七億円の価値があったという、本当かどうか分からない話をしていた。